富山縦断活弁大興行「名作傑作活動大写真」

ハイテク全盛の云々とか、サイレント映画と今の映画を色々比較するのは、全く馬鹿げていると思うし、そんな難しいことは、よう分からん。とにかく作品として素晴らしいし、持ってるテーマとか骨となる部分は全く新鮮だなと、またあらためて感動した。この無声映画の企画は、デジタルではなく、限り無くアナログで構成したいと常々思ってる訳で、特に今年はその部分が実現できて、とっても嬉しい。映画の解説から台詞に至るまでまるで画面に吸い込まれるような気持ちになってしまう、澤登翠さんの活弁と生楽団での演奏。私にとっては夢の実現だったけれど、今の映画しか知らない観客にとってはどう映っただろうか…少しでも魅力を知ってもらえたらいいけど。バスターキートンのセブンチャンスはキートンの傑作中の大傑作で。この映画最大の見所は、花嫁候補の大群に追われたキートンが、野を駆け、山越え、谷を跳び、岩石が落ちる急斜面を逃げ回るシーンにある。随分前にCMにも使われてたっけ、もの凄いスピード感と全てのシーンにちりばめられたギャグが無表情のキートンの魅力。子宝騒動は、昔にこんなオモロい映画とセンスがあったんかあ!とびっくりする日本スラップスティック映画の傑作だ。宇奈月では小津安二郎監督の「生れてはみたけれど」が上映できてほんとに良かった。子どもにとっては理不尽にも思える大人たちの構造がひとつの問題提議を残して終わっていくんだけれども、安易な結論を作らない、物語の深さとさわやかさが印象的でありました。
飴細工の鈴木さんと紙芝居の秋山さんについては、そのうち書こうとおもいます。